花粉症とは
特定のアレルゲンとなる花粉によるアレルギー反応のことで、目のかゆみや鼻水・喉の痛み・涙などの症状が現れます。花粉の飛散時期にきまってアレルギー反応がある季節性と、ほこりやハウスダストなど季節に関係ない通年性があります。目のアレルギーの代表的な疾患が花粉性結膜炎です。花粉の種類によって、スギ花粉性結膜炎、イネ科・キク科花粉性結膜炎などに分類されます。
花粉症の症状
目の周辺にかゆみやまぶたの腫れ、結膜の腫れが生じ、重症になると結膜に浮腫が起こります。かゆみによって掻いてしまうと症状がさらに悪化して、結膜・角膜が傷ついてしまいます。さらに、目のかすみ・眩しさ・痛み・目がゴロゴロするなどの症状が現れます。そのほか、涙があふれ出て、鼻や気管支・のど・胃腸などの症状や、全身の倦怠感や発熱が生じる場合もあります。
花粉症の原因
花粉症の原因となる植物と飛散時期
代表的な植物は、スギ・ヒノキ・ブタクサ・ヨモギ・カモガヤです。花粉症の原因となる植物はおよそ60種類とも言われています。花粉症の原因となる植物の種類は、その土地によって飛散時期が異なります。特に日本は南北に細長く、北と南では飛散時期が異なります。日本列島の南側では2月上旬頃から飛散がはじまり、気温の上昇に伴い北上し、4月中旬まで飛散が続きます。
花粉症の診断・検査
目がかゆい・目が赤い・まぶたが腫れるなどの症状がある場合は、当院までご相談ください。
花粉症における生活上の注意とは
花粉を完全にシャットアウトすることが理想ですが、完全には不可能なため、以下の点に注意して過ごしましょう。
生活上の注意点6カ条
- 外出は極力避けましょう
- マスク・眼鏡・帽子などを着用して花粉を遠ざけましょう
- 家のなかに花粉を入れないようにしましょう
- 加工食品やファストフードの摂り過ぎに注意しましょう
- たばこ・お酒・刺激の強い食品の摂取を控えましょう
- 皮膚を丈夫にして、ストレスを軽減するようにしましょう
花粉症の治療
花粉症の症状が見られた場合、これ以上症状が悪化しないように適切な対症療法をしっかりと行います。抗アレルギー薬のヒスタミンH1拮抗薬とメディエーター遊離抑制薬・副腎皮質ステロイド薬などを用います。
抗アレルギー薬
ヒスタミンH1拮抗薬は、ヒスタミンの作用を阻止してかゆみを抑えていきます。メディエーター遊離抑制薬は、これ以上ヒスタミンを増やさないよう阻止します。効果を得られるまでに2週間ほどかかるため、花粉が飛散する2週間ほど前から点眼をし始めます。飛散時期の症状を軽減するのに有効な治療方法です。
副腎皮質ステロイド薬
症状が強い場合に用います。花粉症だけではなく、アトピー性皮膚炎や気管支喘息・リウマチなどにも用いられる薬です。改善が見らえる一方で、強い副作用による様々な異常が現れます。場合によっても花粉症よりも深刻な病気に陥るケースもあるので注意が必要です。また、点眼や内服治療によって症状が改善しても、花粉症が完治したわけではありません。根気よく治療を継続することで、次第にアレルゲンに反応しにくくなり、症状が軽減します。